Filecoinは、画期的なファイル保管の方式であるIPFS(InterPlanetary File System)ネットワークを自立分散的に維持し、拡大するための仕組みです。ファイルの保管先に対し、暗号資産のインセンティブを出すことによって、これらの仕組みを実現します。
では、IPFSは実際にどのようなユースケースになるのか、その用途を紹介していきます。注意していただきたいのは、これはIPFSのユースケースであって、必ずしもFilecoinのユースケースに当てはまらないということです。
今回はIPFSのユースケースその2として、5つの分野を紹介します。その1がまだの方は、「Filecoin(ファイルコイン)のIPFSは何が出来るのか?5つの分野を紹介」をご覧ください。
⑥データの分散化
⑦DAppsの構築
⑧Webの分散化
⑨ブロックチェーンのユースケース
⑩分散型ID
では、それぞれ説明していきます。
⑥データの分散化
IPFSは、データを分散化してサービスの可用性を向上させることができます。
例:OrbitDBは、サーバレスの分散型P2Pデータベースです。データストレージにIPFSを使用することができます。DAppsやブロックチェーンアプリケーションなどと連携することができます。
Textileは、開発者に分散型データベース、IPFSベースのストレージ、コンテンツホスティングなどを提供します。

Textile
⑦DAppsの構築
IPFS上で分散型アプリケーション(DApps)を構築することができます。
例:SecureMyStateは、コロラドにおける運転免許証や事業登録などの、行政データを管理することができます。このDAppsは、ハッカソンによって作成されました。
AUDIUSは、IPFS上に構築された音楽ストリーミングのプラットフォームです。リスナーはプラットフォーム料金を負担することなく、音楽を聴くことができます。

AUDIUS
⑧Webの分散化
Webの一部のコア部分は中央集権化されているため、改ざんや検閲される可能性が高くなります。一方で、IPFSではこれらに耐性をもつWebを構築することができます。
例:The InterPlanetary Waybackは、IPFSでWebをアーカイブするためのツールです。Webのアーカイブの殆どは重複データになるため、IPFSの重複排除技術が大きく寄与します。
トルコ語Wikipediaのスナップショットは、検閲でアクセスできないトルコ語のWikipediaをIPFS上に保存する試みです。これにより、政府の検閲を回避することができます。

トルコ語Wikipediaのスナップショット
⑨ブロックチェーンのユースケース
IPFSは、ハッシュでコンテンツを管理するため、ユーザーは改ざんされていない正しいデータを取得することができます。これは、ブロックチェーンアプリケーションで利用される事実上の標準(デファクト・スタンダード)となっています。
Filecoinは、IPFSを開発したProtocol Labsのブロックチェーンプロジェクトです。空きストレージを第三者に貸し出すことにより、インセンティブを得ることが出来るようになります。
IOTAは、Tangleと呼ばれる有向非巡回グラフ(DAG)を採用するチェーンです。IOTAで扱うデータを、IPFSで保管することができます。

Filecoinの仕組み
⑩分散型ID
分散型IDは、Googleのように特定のサービス会社ごとにIDを格納するのではなく、分散ネットワーク上に個人データを保管し、個人の権限のみで認証を行うことができる技術のことを指します。
Elementは、コンテンツのアドレス指定とイーサリアムのスマートコントラクトを組み合わせて、ID管理を提供する取り組みをしています。
3ID Connectは、外部サービスにおけるFacebookやGoogleログインのようなOAuthと同様に、サービスにログインすることができるようになります。IDはIPFS上で保管されます。

3ID Connect
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