マイニング

FIL価格の高騰とマイナーの苦境

2021年4月1日、FILの価格はついに200ドルを突破し、投資家を湧かせました。しかし、Filecoinのエコシステムにとって、必ずしも全員がWin-Winになっていないのも事実です。そこで、Filfoxで見ることができる2021年4月1日のデータを使い、いまFilecoinネットワークがどうなっているのかを見ていきます。

現在、Filecoinのネットワークには、1,766ものマイナーから合計3.786EiBのストレージ容量が提供されています。マイニングルールにより、単位時間あたりにマイナーに付与されるFILの総量は決まっていることから、マイナーが増えることでマイナーが得られるFILの収入が減少していきます。

一方で、マイナーはマイニングを進めなければならないため、FILを担保として確保し、データをシーリングしなければいけません。シーリングにかかるコストは、シーリング過程で消費するGASも合わせて、1TiBあたり12.22FILになります。この時点のFIL価格が216.27ドルになるため、シーリングコストは約2,642ドルにのぼります。

しかし、マイナーのマイニング報酬は下落の一途をたどっています。同じくFilfoxからのデータでは、直近30日間で1TiBあたりの平均マイニング報酬が0.1056FILから0.0942FILに下がっています。わずか1ヶ月で報酬が10.8%も下落したことになります。

以上のように、現在のマイナーは新規にシーリングするためのコストが跳ね上がり、FIL建ての報酬は減少しています。多くのマイナーが得られた報酬を、マイニング容量を拡大するための担保分に充てるため、FIL建ての報酬減少は彼らの規模拡大の足かせとなっていきます。

現在、この状況によって、新規にマイニングサービスを契約するユーザーに影響が出ています。当初はマイニングのためのFILの担保を求めていなかったマイナーが、直近で担保負担を求めるようになりました。そのため、メインネット開始直後から直近にかけてマイニングサービスの価格を2倍以上にしたところも少なくなく、ユーザーの新規参入の負担は大幅に増えることになりました。

このように、FILの価格高騰はマイナーとユーザーにとっては必ずしもポジティブにならない側面を持っています。今後もFIL価格の乱高下でマイニングサービスの価格が大きく変動する可能性があるため、マイニングを検討している方は状況を注視すると良いでしょう。

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